Gallery koyanagi
2007年東京都写真美術館での”熊野、雪、桜”は素晴らしいかった。そのことは疑いない。光と写真を用いて展示空間を一変させたインスタレーションは従来の写真家の展示方法とは一線を画するものがあった。
ギャラリー小柳での展示「WHITE」は写真美術館での「雪」の延長であろうが、正直がっかりした。鈴木の腰の調子があまり芳しくないというような事を聞いたが、それをさっ引いたとしても、付け焼き刃もような印象を受けた。結晶を写した写真は顕微鏡を覗いたような形で窓を切っていたが、そのアプローチ自体小手先仕事のようで、また一つの画面に対して縦方向に写真を複数設置していた作品も何か貧弱な印象だった。都写美での展示で鈴木理策という作家は完成してしまっていたのだろうか。そう思うと残念でならない。
社会情勢がよくないときこそ、名作が生まれるというのはよく言われることだが、一方で”不景気”の影響が美術の業界に影響しないわけはない。財布の紐が固くなるので、作品が売れない。「WHITE」でもそれに近いようなことが垣間見られた。私が行ったのは展示期間の一週目だったので、一概に言う事はできないのかもしれないが鈴木理策クラスであれば、初日に完売していてもおかしくない。しかし作品リストにはシールが三枚。
これから貯金を切り崩していくか、新しい局面を模索していくか。色々な意味で鈴木理策は踏ん張り時かもしれない。

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